ルジャンドル多項式の定義と性質(1/3)

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定義

$$P_{n}(x)=\frac{1}{2^n n!} \frac{d^n}{d x^n} (x^2-1)^n,\quad(n=0,1,2,…)\tag{1}$$

で定義された関数 \(P_{n}(x)\) を、ルジャンドル(Legendre)多項式という。
また、ルジャンドル多項式は、以下のテイラー級数

$$\frac{1}{\sqrt{1-2xt+t^2}}=\sum_{n=0}^{\infty}P_{n}(x)t^n\tag{2}$$

の係数として定義することもできる。

性質

ルジャンドル多項式は、以下の基本的な性質を持つ。

  1. 以下の漸化式が \(n\geq1\) に対して成り立つ。
    $$(n+1)P_{n+1}(x)=(2n+1)x P_{n}(x)-n P_{n-1}(x)\tag{3}$$
  2. $$P_{n}(-x)=(-1)^n P_{n}(x)$$
  3. $$P_{n}(1)=1,\quad P_{n}(-1)=(-1)^n$$
  4. \(P_{n}(x)=0\) は相異なる \(n\) 個の実数解を開区間 \((-1, 1)\) 内に持つ。
  5. $$\int_{-1}^{1}x^k P_{n}(x)d x = 0 \quad (n\geq1,\quad k=0,1,2,…,n-1)$$
  6. 高々 \(n-1\) 次の多項式 \(Q(x)\) に対して、
    $$\int_{-1}^{1}Q(x)P_{n}(x)d x = 0$$

証明

性質 1.

定義式 \((2)\) の両辺を \(t\) で微分して、

$$\frac{d}{d t}\frac{1}{\sqrt{1-2xt+t^2}}=\frac{d}{dt}\sum_{n=0}^{\infty}P_{n}(x)t^n$$
$$-\frac{1}{2}(-2x+2t)(1-2xt+t^2)^{-\frac{3}{2}}=\sum_{n=1}^{\infty}n P_{n}(x)t^{n-1}$$
$$(x-t)\frac{1}{\sqrt{1-2xt+t^2}}= (1-2xt+t^2) \sum_{n=0}^{\infty}(n+1)P_{n+1}(x)t^{n}$$

ここで、根号を定義式\((2)\)により置き換えると、

$$(x-t) \sum_{n=0}^{\infty}P_{n}(x)t^n = (1-2xt+t^2) \sum_{n=0}^{\infty}(n+1)P_{n+1}(x)t^{n}$$

が得られる。
この式の両辺において、\(t^n\) の係数について比較すると、

左辺では

$$x P_{n}(x)-P_{n-1}(x)$$

右辺では

$$(n+1)P_{n+1}(x)-2xn P_{n}(x)+(n-1)P_{n-1}(x)$$

より、

$$x P_{n}(x)-P_{n-1}(x)=(n+1)P_{n+1}(x)-2xn P_{n}(x)+(n-1)P_{n-1}(x)$$
$$(n+1)P_{n+1}(x)=(2n+1)x P_{n}(x)-n P_{n-1}(x)$$

が得られる。
この \(P_{n}(x)\) に関する漸化式は、ボネの漸化式と呼ばれる。

性質 2.

定義式 \((1)\) において、\((x^2-1)^n\) を二項定理を用いて展開すると \(x\) の \(2n\) 次の多項式になり、かつ、\(x\) の偶数乗の項のみから成り立っている。
これを \(n\) 回微分すると、\(x\) の \(n\) 次の多項式となり、かつ、各項の次数は \(2\) ずつ下がっていく。
すなわち、\(P_{n}(x)\) は \(n\) が偶数の時には偶関数、\(n\) が奇数の時には奇関数となる。これは性質 2. と同義である。

性質 3.

\((3)\)式を変形し、\(n\geq 0\) において

$$(n+2)P_{n+2}(x)=(2n+3)x P_{n+1}(x)-(n+1)P_{n}(x)\tag{3*}$$

とする。

$$P_{0}(x)=\frac{1}{2^0 0!}\frac{d^0}{d x^0}(x^2-1)^0=1$$
$$P_{1}(x)=\frac{1}{2^1 1!}\frac{d^1}{d x^1}(x^2-1)^1=x$$

より、

$$P_{o}(1)=P_{1}(1)=1\tag{4}$$

である。
\((3^{*})\)式に \(x=1\) を代入し、\(P_{n}(1)=P_{n+1}(1)\) を仮定すると、

$$(n+2)P_{n+2}(1)=(2n+3)P_{n+1}(1)-(n+1) P_{n+1}(1)$$
$$(n+2)P_{n+2}(1)=(n+2)P_{n+1}(1)$$
$$P_{n+2}(1)=P_{n+1}(1)$$

となるので、\((4)\)式の結果を順次代入して、\(P_{n}(1)=1\) が得られる。

同様に、

$$P_{o}(-1)=1,\quad P_{1}(-1)=-1,\quad P_{0}(-1)=-P_{1}(-1)\tag{5}$$

なので、\((3^{*})\)式に \(x=-1\) を代入し、\(P_{n+1}(-1)=-P_{n}(-1)\) を仮定すると、

$$(n+2)P_{n+2}(-1)=(2n+3)\cdot(-1)\cdot(-P_{n}(-1))-(n+1)P_{n}(-1)$$
$$(n+2)P_{n+2}(-1)=(n+2)P_{n}(-1)$$
$$P_{n+2}(-1)=P_{n}(-1)$$

となるので、\((5)\)式の結果を順次代入して、\(P_{n}(1)=(-1)^n\) が得られる。

性質 4.

性質 5., 6.

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投稿者: 大野 駿太郎

神経科学を研究している博士学生。Python, Rust, C/C++, C#, Julia, Common Lisp, Unityを活用して、世界の様々な現象をシミュレート・分析しています。理系分野だけでなく、政治学や社会学も、もちろん分析対象です。

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