公式
\(f(t)\) を \(t\) に関する1変数関数、\(p(x), q(x)\) をそれぞれ \(x\) に関する1変数関数とすると
$$\frac{d}{dx}\int_{p(x)}^{q(x)}f(t)dt=f(q(x))q'(x)-f(p(x))p'(x)\tag{1}$$この特殊な場合として、\(a\) を \(x\) に依存しない定数とすると
$$\frac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(t)dt=f(x)\tag{2}$$
証明
特殊な例の証明(式(2))
先に式 \((2)\) から証明する。
定積分は、\(f(x)\) の原始関数の1つを \(F(x)\) とおく( \(F'(x)=f(x)\) )と
$$\int_{a}^{b}f(x)dx=F(b)-F(a)\tag{3}$$
で定義される。これに従って式 \((2)\) の左辺を変形すると
$$\frac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(t)dt=\frac{d}{dt}(F(x)-F(a))=f(x)$$
が証明された。
一般的な場合の証明(式(1))
同様に、定義式 \((3)\) に基づいて式 \((1)\) の左辺を変形する。
$$\frac{d}{dx}\int_{p(x)}^{q(x)}f(t)dt=\frac{d}{dx}(F(q(x))-F(p(x)))$$
原始関数の中身も \(x\) の関数になっているので、合成関数の微分公式
$$\frac{d}{dx}f(g(x))=f'(g(x))g'(x)$$
を用いると
$$\frac{d}{dx}\int_{p(x)}^{q(x)}f(t)dt=f(q(x))q'(x)-f(p(x))p'(x)$$
を得る。
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