微分方程式を形状ごとに分類し、それぞれの解法を解説しています。
解法の基本は変数分離形または定数係数の線形の微分方程式にあり、より複雑な微分方程式は、これらのパターンに帰着させることを目標にしていると考えると、全パターンを簡単に覚えることができます。
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微分方程式を「解く」
そもそも微分方程式を解くとは、その方程式をみたす一般解を求めることを意味します。
方程式内で微分が行われることから、解となる関数には定数倍や定数項で任意性があり、そのため複数の関数が解となり得ます。
そこで任意定数 \(C_i\) を用いてこれらの解をすべて表現した式を一般解と言います。
(一般解の例)
$$y=C_1e^x+C_2e^{2x}$$
この式は、 \(y=2e^x-3e^{2x}\) や \(y=e^x\) 、 \(y=100e^{2x}\) 、 \(y=0\) などの関数をすべて含んでいます。
微分方程式の解法一覧
変数分離形
$$\frac{dy}{dx}=P(x)Q(y)$$
両辺を \(x\) で積分する形。
1階同次形
$$\frac{dy}{dx}=f\left(\frac{y}{x}\right)$$
\(z=\frac{y}{x}\) と変数変換して、変数分離形に帰着させる形。
1階線形
$$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)$$
両辺に \(\exp\left\{\int P(x)dx\right\}\) を掛け、積分を行う形。
ベルヌーイの微分方程式
$$\frac{dy}{dx}+P(x)y=Q(x)y^k$$
\(z=y^{1-k}\) と変数変換して、1階線形に帰着させる形。
定数係数2階同次線形
$$\frac{d^2y}{dx^2}+a\frac{dy}{dx}+by=0$$
特性方程式 \(\lambda^2+a\lambda+b=0\) の解の種類から一般解を求める形。
特性方程式による解法がうまくいく理由については
を参照。
定数係数2階非同次線形
$$\frac{d^2y}{dx^2}+a\frac{dy}{dx}+by=R(x)$$
\(R(x)=0\) (定数係数2階同次線形)の一般解を余関数 \(y_c(x)\) とし、それと特殊解 \(Y(x)\) の和が一般解となる形。
オイラーの微分方程式
$$x^2\frac{d^2y}{dx^2}+ax\frac{dy}{dx}+by=R(x)$$
\(x\) の範囲に基づき、 \(t=\ln x\) または \(t=\ln(-x)\) と変数変換して、定数係数2階同次・非同次線形に帰着させる形。
定数係数n階線形
$$y^{(n)}+p_1y^{(n-1)}+\cdots+p_{n-1}y'+p_ny=Q(x)$$
\(n\) 次の特性方程式 \(\lambda^{n}+p_1\lambda^{n-1}+\cdots+p_{n-1}\lambda+p_n=0\) の解の種類に基づいて、2階線形と同様の手法で解く形。
完全微分形
$$P(x,y)dx+Q(x,y)dy=0$$
左辺が \(f(x,y)\) の全微分となる性質を利用(またはそうなるように変換)し、一般解 \(f(x,y)=C\) を導く形。
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