【微分方程式の解法5】定数係数2階同次線形

微分方程式の解法
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定数係数2階同次線形と呼ばれる微分方程式の解き方について解説する。

この方程式は、特性方程式の解の個数によって、微分方程式の解の形状を決定する解法パターンのもっとも基本的なものである。

特性方程式の解と微分方程式の解の関係については暗記するのが基本だが、特性方程式の意味・なぜ作るのか?を合わせて読むことで、暗記ではなく原理として理解できる。

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定義

\(y\) が \(x\) の関数であるとき

$$\frac{d^2y}{dx^2}+P(x)\frac{dy}{dx}+Q(x)y=0$$

の形で書ける微分方程式を2階同次線形微分方程式という。

\(P(x), Q(x)\) がともに定数である定数係数2階同次線形微分方程式の場合、解の形状には特徴があることが知られている。

解法

定数係数2階同次線形微分方程式を、実定数 \(a, b\) を用いて

$$\frac{d^2y}{dx^2}+a\frac{dy}{dx}+by=0$$

と書く。

特性方程式を \(\lambda^2+a\lambda+b=0\) とし、その判別式を \(D=a^2-4b\) としたとき、一般解 \(y(x)\) の形状は以下の3種類に分けられる( \(C_1, C_2\) を任意定数とする)。

\(D>0\) のとき

特性方程式の2実解を \(\lambda=\lambda_1, \lambda_2\) ( \(\lambda_1\neq\lambda_2\) )とすると

$$y(x)=C_1e^{\lambda_1 x}+C_2e^{\lambda_2 x}$$

\(D=0\) のとき

特性方程式の重解を \(\lambda=\lambda_1\) とすると

$$y(x)=(C_1+C_2x)e^{\lambda_1x}$$

\(D< 0\) のとき

特性方程式の複素数解を \(\lambda=p\pm qi\) ( \(p, q\) は実数)とすると

$$y(x)=e^{px}(C_1\cos qx+C_2\sin qx)$$

例題

$$y''+4y'+13=0$$

特性方程式を \(\lambda^2+4\lambda+13=0\) とおくと

$$\lambda=-2\pm 3i$$

より、任意定数 \(C_1, C_2\) を用いると、一般解は

$$y=e^{-2x}(C_1\cos 3x+C_2\sin 3x)$$

微分方程式の解法一覧

その他の微分方程式の解法は、以下の記事を参照のこと。

【全9パターン網羅】微分方程式の解法一覧
微分方程式を形状ごとに分類し、それぞれの解法を解説しています。解法の基本は変数分離形または定数係数の線形の微分方程式にあり、より複雑な微分方程式は、これらのパターンに帰着させることを目標にしていると考えると、全パターンを簡単に覚えることができます。

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