概要
トランジスタを使ってORゲートを作る方法について解説する。
この記事を読むことで、ORゲートが「AまたはB」を電気回路で表現できる理由がわかる。
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この記事はシリーズ「半導体からコンピュータを作る」の第6章である。
過去の章で前提となる知識を解説しているため、不明点があれば参照してほしい。
(本記事で行っている回路の解析方法の詳細は、第5章を参照)
また、記事の内容を理解した後、シリーズの他の記事を読み進めることで、半導体やコンピュータに関する知識を深めることができる。
半導体からコンピュータを作る【全9ステップ】
はじめに半導体の性質を把握し、それにもとづいてパーツを作り、最終的にコンピュータが動く原理を理解します。このシリーズの記事を読むことで、コンピュータの原理をその構成要素にもとづき、0から深く理解することができます。
ORゲート
ORゲートとは?
ORゲートは2つの入力端子A, Bを持ち、いずれかの入力が1つでもHのとき、Hを出力する(論理和)。
つまり、「AまたはB」を表現できる論理回路である。
真理値表
入力1(A) | 入力2(B) | 出力(Q) |
---|---|---|
L | L | L |
L | H | H |
H | L | H |
H | H | H |
回路図
上の回路図において、Aは入力1、Bは入力2、Qは出力である。
また、 \(V_{dd}\) と \(V_{ss}\) は電源線であり、 \(V_{dd}\) は \(V_{ss}\) の対して高電位である。
つまり、 \(V_{dd}\) と繋がったところがH、 \(V_{ss}\) と繋がったところがLと考えることができる。
動作例(A = H, B = Lのとき)
上図のオレンジの線がHとなる領域である。
入力A, BのうちAがHなので、出力QがHになっていることがわかる。
回路記号
ORゲートは通常パッケージ化され、上図の回路記号で表現される。
次回予告
論理において、ORゲートの「AまたはB」と対になる、「AかつB」を表現するANDゲートの作り方と動作原理について解説する。
ANDゲートの回路図と動作原理
概要 トランジスタを使ってANDゲートを作る方法について解説する。 この記事を読むことで、ANDゲートが「AかつB」を電気回路で表現できる理由がわかる。 関連記事 この記事はシリーズ「半導体からコンピュータを作る」の第7章である。 過去の章...
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