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トランジスタの原理

自然科学
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<【前回】ダイオードの原理

n型半導体2個とp型半導体1個(NPN接合:上図)、またはn型半導体1個とp型半導体2個(PNP接合)をつなげることによって、トランジスタを作ることができる。ここではNPN接合を例にその原理を説明する。

トランジスタはエミッタ(E)、ベース(B)、コレクタ(C)という3つの端子を持つ。このうち、ベースは他と異なる型の半導体が用いられており、その厚さはかなり薄くしてある。また、エミッタの不純物濃度はベースやコレクタと比べ高くしてある。

この3つの端子のうち、エミッタ‐コレクタ間にのみ電圧(エミッタ側が負)をかけると、エミッタの電子はベースに流れ込み、ベース内の正孔と結合する(上図)。その結果、薄いベース内のキャリアが不足して最終的には電流が流れなくなる(空乏層の形成)。また、コレクタ内の電子は+極側に移動し、トランジスタ全体としても電流は流れない。

次に、エミッタ‐コレクタ間に加えエミッタ‐ベース間にも電圧をかけると、エミッタには電子、ベースには正孔がそれぞれ補充されるため、エミッタ‐ベース間には絶えず電流が流れ続ける。また、ベース側へ移動したエミッタの電子は、薄いベースの層を通過してコレクタにまで達する。これにより、エミッタ‐コレクタ間にも電子の流れが生じ、トランジスタ全体に電流が流れることになる(上図)。エミッタ‐コレクタ間の電流はエミッタ‐ベース間の電流によって制御され、エミッタ‐ベース間のわずかな電流の変化がエミッタ‐コレクタ間の電流を大きく変化させるため、トランジスタは増幅器やスイッチとして用いることができる。

このような仕組みをもつトランジスタのことをバイポーラトランジスタと呼び、回路内では以下の記号で表される。

【トランジスタの回路記号[1]】

【引用元】

[1] By wiki - 日文版維基トランジスタ, CC BY-SA 2.0 tw, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2451344

MOSFET【次回】>

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コメント

  1. […] トランジスタ […]

  2. […] 前回解説したバイポーラトランジスタの他に、トランジスタには以下のような種類がある。 […]