CMOS
前回はn型MOSとp型MOSの性質について述べた。n型MOSは「ゲートに正電圧がかかると電流が流れる」装置であり、p型MOSは「ゲートに負電圧がかかると電流が流れる」装置である。ここで、正電圧・負電圧という用語を高電位・低電位という表現に置き換え、それぞれを表す記号として「H(High)」と「L(Low)」を用いる。
この時、n型MOSは「Hが入力されるとONになるスイッチ」、p型MOSは「Lが入力されるとONになるスイッチ」と考えることができ、これら2つのスイッチを組み合わせて論理回路を作成する方式をCMOS(Complementary MOS; 相補型MOS)という。
NOTゲート
CMOSの例として、NOTゲートと呼ばれる論理回路について示す。このゲートは、入力と逆の電圧を出力する(論理反転)。
回路図
上の回路図において、Aは入力、Qは出力である。また、VddとVssは電源線であり、VddはVssの対して高電位である。つまり、Vdd = H、Vss = Lと考えることができる。
例(A = Hのとき)
ONになったスイッチはただの導線と同一であり、逆にOFFのスイッチは断線状態と考えることができる。導線でつながった部分は同一の電位を持つので、Hの領域は上図のオレンジの線で表される。すなわち、Hが入力されたとき、出力QはLであり、入力とは逆の出力が生じることがわかる。
真理値表
ゲートへの入力と出力の対応関係を表にしたものを真理値表という。NOTゲートは入力端子を1つだけ持つため、真理値表は以下のようになる。
入力1(A) | 出力(Q) |
L | H |
H | L |
回路記号
上図はNOTゲートの論理回路である。なお、回路記号のうち、NOTゲートの出力やp型MOSのゲートにある白い丸は「NOT(論理の反転)」、簡潔に言うと「逆」を意味するマークである。
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