クオータニオン(四元数)による回転表現

クオータニオンによる回転表現
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概要

物体の回転角を表す方法としては、「X軸まわりに◯度、Y軸まわりに△度、Z軸まわりに☆度」という、オイラー角を用いるのが最も直感的だと思いますが、オイラー角による回転表現には、以下のような問題点があります。

  • 回転を行う軸の順番を指定する必要がある(X→Y→Zなのか、Z→X→Yなのか…)
  • ジンバルロックが生じる

これらの問題は、クオータニオン四元数Quaternion)を用いることによって解決できます。

そのため、例えばゲーム開発環境Unityでも、回転表現は基本的にクオータニオン(四元数)によって取り扱われています(オイラー角による表現は、クオータニオンによる計算を行ったあと、その結果から変換されている)。

このカテゴリでは、クオータニオン(四元数)の基礎から応用までを取り扱い、クオータニオン(四元数)による回転や姿勢角の表現方法について解説します。

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