Introduction: Forecasting in peace research

Håvard Hegre, Nils W Metternich, Håvard Mokleiv Nygård, Julian Wucherpfennig.

“Introduction: Forecasting in peace research”

Journal of Peace Research 2017; 54(2): pp.113-124.

Contents

「予測」の問題点

予測精度を評価する標準的な方法がないため、透明性や再現性を欠く

「予測」の歴史

第Ⅰ期(1960年代~1980年代初期)
・Sorokin, Richardson, Wrightが先導
・Correlates of War Projectの影響を強く受ける

第Ⅱ期(1980年代~2000年代)
・2つの取り組みが貢献
1.ゲーム理論モデルによる、理論と紛争予測の橋渡し(Bueno de Mesquita)
2.ニュース情報を用いた統計モデルによる軍事紛争予測(Philip Schrodt)
・Schrodtは人工知能、機械学習(ニューラルネットワークを含む)の手法も利用(1988、1991)
・Schrodt, Davis & Weddle (1994) が開発したアルゴリズムにより、日、週、月単位の経験的分析・予測が可能になる

第Ⅲ期(2010年~)
・SFTF(後のPITF)の発展とともに始まる

 

理論の評価に対する予測の効用

・理論から導き出された変数が高い予測能力を示す場合、その変数は非常に有意義である
・p値による統計的な分析は、あまり重要ではない変数を量産する傾向にある(p値はサンプルサイズと直接相関するため)
→ビッグデータを利用すると悲惨なことになる
・変数のより少ないモデルの方が有用である
・現象の説明には予測が伴わねばならないし、解釈性が限られている予測の精度を上げるためには、現象の説明を必要とする

 

「説明」と「予測」のトレードオフ

・予測能力のみに焦点を当てる場合や、データが作られる方法に注意を払わない場合に生じる
・機械学習で特に生じやすい
1.改善すべき個所を見つけにくい
2.予測された未来を避ける方法を示しにくい
・理論を説明するために予測を用いれば、モデルはシンプルになり、改善もしやすい

 

「予測」実用化について

・以下の2種類の見解がある
1.予測されたパワーシフトが生じる前に紛争を起こす誘因が働き、当初の予測は機能しない
2.戦争の損害は低く見積もられる傾向にあるが、予測を示すことにより攻撃を控えるようになる
・予測の手法と技術に関する透明性と共有が、予測の悪用を防止する

 

「予測」の展望

・「予測」に対する共通の評価法が必要である。ただし、p値を用いるべきではない
1.過学習を避けるため、サンプル外の事象に対する予測精度を調べる
2.Brier score、ROCカーブ、PRカーブなどの評価法を組み合わせる。モンテカルロ法の実施も有用である
3.手法の透明性と再現性を高める
4.政治家に対し、結果を視覚的に示す
・Flexible・教師なし学習の事後解釈性を高める必要がある
・ACLED、UCDP-GEDのデータは有用
→ViEWSが効果的に利用している
・紛争データ構成の標準的な手法が必要となる
・欠損データの処理に関して、予測の技術が使えるのではないか?

 

Interesting Keywords

・Dynamic simulation(Hegre et al.(2013), Hegre, Nygard & Raeder (2017))
→”Black Swan”の予測(Black Swanが小規模イベントの寄せ集めであるとすれば)。ViEWS project.

 

Impressions

「予測」の可能性について示し、その標準的な評価法の必要性を説いたレビュー論文。p値による統計的評価一辺倒の科学に、「予測」は実用性の高い方法論を提供することだろう。Referenceのうち、Do the robotは非常に気になったので、なんとか入手したい。

神経科学を研究している博士学生。Python, Rust, C/C++, C#, Julia, Common Lisp, Unityを活用して、世界の様々な現象をシミュレート・分析しています。理系分野だけでなく、政治学や社会学も、もちろん分析対象です。

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