概要
自分のWebサイトへのリンクを貼ってくれているURL(被リンク)を調べる方法と、その中のスパムっぽい被リンクを否認してGoogleからのペナルティを解除する方法について解説する。
この記事の内容を実行することで、サイトに対する反応を調べることができ、また、SEOを阻害するスパムリンクを排除して、Google検索の順位を上げられる可能性がある。
被リンクについて
検索における被リンクの重要性
Googleの検索エンジンは、ユーザーの役に立っているWebサイトを検索結果の上位に表示するようプログラムされている。
ページが役に立っている基準の1つに、外部被リンクの数がある。
つまり、他のサイトがリンクを貼ってそのページに言及しているということは、その内容が引用・参照されて役に立っている可能性が高いというわけである。
スパム(低品質なページからの)被リンクに対するペナルティ
この仕組みを悪用して、本命のWebサイトの他に複数のダミーサイトを開設し、そこから本命サイトに大量のリンクを貼るというハックが行われた。
実際、「弊社は大量のWebページを持っているので、そこから被リンクを貼って、あなたのWebサイトの検索表示順位を上げますよ」という契約を持ちかけてくる企業も存在する。
その結果、Googleは低品質な・意味のないサイトからの被リンクに対してペナルティを掛け、仮にそのページの被リンク数が多かったとしても、それが低品質なものであれば、検索上位に表示しないという対応をとった。
先述のようなサービスを使って被リンクを量産し、制裁を受けたのであれば自業自得だが、時折、いや結構な頻度で、スパムサイトからのリンクが勝手に貼られてしまうことがある。
そのため、Googleに対して「これらの被リンクは不本意である」と、被リンクの否認を行い、検索ペナルティを受けないように対策する必要がある。
以下、艮電算術研究所で実際に行った対応を例に、
- 被リンクの調べ方
- スパム被リンクの否認の仕方
を解説する。
被リンクの調べ方
Google Search Console
を使用するので、ログインし、自分のWebサイトを登録する。
左のメニューバーから「リンク」をクリックすると、「外部リンク」と「内部リンク」を受けているページの一覧が、それぞれランキング形式で表示される。
具体的なリンク元URLを調べるためには、「外部リンク:上位のリンクされているページ」の「詳細」をクリックする。
見たいページのURLをクリックすると、そのページに向けてリンクを貼っている外部サイトのページURL一覧を取得できる。
ここでは艮電算術研究所の、https://ushitora.net/archives/2617
のページ被リンクを調べることにした。
しかし、暗雲立ち込める

このページは特に頑張って書いたので、サイト内で1番、そして32件も被リンクが貼られていて嬉しいな~^^
では、どんなサイトがこのページに言及してくれているのか、実際に見てみましょう♪
…
……
ギョエピー!!!!
ほ、ほとんどがスパムっぽいドメインから飛んで来てる…。
駆逐してやる…1匹…残らず!!
被リンクの否認手続き
というわけで、スパム被リンクを駆逐(否認)することにした。
「否認ツール」使用に際しての注意
以下で手順を解説する「否認ツール」はサイトの検索パフォーマンスに大きな影響を与えるため、Googleも使用の際は十分に注意せよ、と警告している。
否認ツールは複雑な機能であるため、慎重に使用する必要があります。使い方を間違えると、Google 検索結果でのサイトのパフォーマンスに影響が及ぶ可能性があります。
当サイトでも、このツールを使用したことによる影響については責任を取れないので、以下の作業は十分に注意して、自己責任で実行してほしい。
被リンク一覧の取得
否認手続きはページごとでなく、Webサイト全体について行う。
左のサイドメニューの「リンク」をクリックして見れるページに戻り、右上の「外部リンクをエクスポート」→「その他のサンプルリンク」をクリックすると、
- Googleスプレッドシート
- Excelファイル
- CSVファイル
の形式で、自分のWebサイトが受けているすべての被リンクURLの一覧を取得できる。
3種類のファイル形式から、自分にとって使いやすいものを選択してほしい。
これらのファイルには、以下のようにURL一覧が保存されている(スパムのURLは架空のものである)。
https://spam.doggyapplesonic.uk/pickup/20220101
https://spam.doggyapplesonic.uk/pickup/hogehoge
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/ushitora.net/archives/864
https://www.spamyfamilyexcellent.com/28dyen49do3/39f49sj48f
https://qiita.com/doraneko94/items/a9a3f4d7e32f953e7c5c
...
スパム被リンクURLをtxtファイルにまとめる
次に「メモ帳」などを開き、拡張子が.txt
のテキストファイルを作成する。
(このとき、ファイル名は何でも良いが、文字コードは必ず「UTF-8」または「7-bit ASCII」として保存することに注意する。)
そして被リンクURL一覧を見ながら、スパムと思われるものを抽出し、このテキストファイルにすべて記述していく。
テキストファイルにスパム被リンクを記述する方法は、以下の2通りがある。
URL全体を書き並べる
https://spam.doggyapplesonic.uk/pickup/20220101
https://spam.doggyapplesonic.uk/pickup/hogehoge
https://www.spamyfamilyexcellent.com/28dyen49do3/39f49sj48f
...
最も単純な方法である。
URL一覧をテキストファイルに貼り付け、スパムでないものを消去していけば良い。
(余談だし鵜呑みにしないでほしいが、)スパムの被リンクURLには、「pickup」という文字が含まれていることが多いように感じる。
ドメインまるごと否認する
domain:spam.doggyapplesonic.uk
domain:www.spamyfamilyexcellent.com
...
否認するURLはドメイン単位で指定することもでき、この場合は指定したドメインのすべてのURLからのリンクを否認する。
これを実行するためには、domain:
を頭に付けてドメインを記述する。
スパム被リンクは同一のダミーサイトから複数貼られていることも多く、また、未来のスパムも事前に否認するためには、こちらの記法が便利である。
テキストファイルをGoogleに送信
リンクの否認ツールにアクセスし、「プロパティの選択」で自分のWebサイトを選択する。
注意事項をよく読み、「否認リストをアップロード」をクリックして、作成したテキストファイルを選択・送信する。
これでリンクの否認手続きは終了である。
余談
古い情報源によると、リンクの否認を行ったあとに「被リンクを外してもらうよう、サイトの持ち主に要請する」ことが必要らしい(そんなこと可能なのか…?)。
ただし、新しい情報源ではこれが必須とされていないようなので、改善されたということなのかもしれない。
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