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【極限計算の解法4】はさみうち・追い出しの原理

極限計算の解法
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極限を考えたい式について、最小値や最大値を考えることができるケースの解法について解説します。

他のケースが式変形を主軸としているのと違い、このケースでは関数の範囲を考えることがメインになります。そのため、式変形を考える前にこのはさみうちの原理追い出しの原理が適用できる可能性を探るクセを付けると、計算がうまくいく可能性が高まります。

解法

\(g(x)\leq f(x)\leq h(x)\) が常に成り立ち、

$$\lim_{x\to a}g(x)=\lim_{x\to a}h(x)=b$$

であるとき、

$$\lim_{x\to a}f(x)=b$$

となります。これをはさみうちの原理といいます。

また、 \(g(x)\leq f(x)\) が常に成り立ち、

$$\lim_{x\to a}g(x)=\infty$$

であるとき、

$$\lim_{x\to a}f(x)=\infty$$

となります。これを追い出しの原理といいます。

なお、ここでは極限を考えているため、関係式に等号は無くても構いません(つまり、 \(g(x)< f(x)< h(x)\) でも可)。

例題

$$\lim_{n\to\infty}\frac{2n-\cos n\pi}{3n+\cos n\pi}$$

を計算せよ。

\(-1\leq\cos n\pi\leq -1\) より

$$\frac{2n-1}{3n+1}\leq\frac{2n-\cos n\pi}{3n+\cos n\pi}\leq\frac{2n+1}{3n-1}$$

が成り立つ。ここで、

$$\lim_{n\to\infty}\frac{2n-1}{3n+1}=\lim_{n\to\infty}\frac{2-\frac{1}{n}}{3+\frac{1}{n}}=\frac{2}{3}$$

$$\lim_{n\to\infty}\frac{2n+1}{3n-1}=\lim_{n\to\infty}\frac{2+\frac{1}{n}}{3-\frac{1}{n}}=\frac{2}{3}$$

より、はさみうちの原理から

$$\lim_{n\to\infty}\frac{2n-\cos n\pi}{3n+\cos n\pi}=\frac{2}{3}$$

極限計算の解法一覧

その他の極限計算の解法は、以下の記事を参照してください。

【全10パターン網羅】極限計算の解法一覧
極限の計算をパターンごとに分類し、それぞれの解法を解説しています。計算の基本は、極限を代入として考えられるように式変形することであり、それに加えて、はさみうちの原理やロピタルの定理を理解していると、極限計算は簡単に行うことができます。

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