極限を考えたときに、単純に計算すると∞どうしの足し引きになるケースの解法について解説します。
項をまとめたり、分数の形に持ち込んで不定形を解消する方法は、極限の計算においては基本的なテクニックです。
解法
- 整式の場合は、最高次の項で全体をくくる
- 無理式の場合は事前に有理化する
例題
$$\lim_{x\to-\infty}(x^2+x\sqrt{x^2-2})$$
を計算せよ。
\(x=-t\) とおくと、 \(x\to-\infty\) のとき \(t\to\infty\) より
$$\lim_{x\to-\infty}(x^2+x\sqrt{x^2-2})=\lim_{t\to\infty}(t^2-t\sqrt{t^2-2})$$
$$=\lim_{t\to\infty}t(t-\sqrt{t^2-2})=\lim_{t\to\infty}\frac{t(t-\sqrt{t^2-2})(t+\sqrt{t^2-2})}{t+\sqrt{t^2-2}}$$
$$=\lim_{t\to\infty}\frac{t\{t^2-(t^2-2)\}}{t+\sqrt{t^2-2}}=\lim_{t\to\infty}\frac{2t}{t+\sqrt{t^2-2}}$$
$$=\lim_{t\to\infty}\frac{2}{1+\sqrt{1-\frac{2}{t^2}}}=\frac{2}{1+\sqrt{1-0}}=1$$
極限計算の解法一覧
その他の極限計算の解法は、以下の記事を参照してください。

【全10パターン網羅】極限計算の解法一覧
極限の計算をパターンごとに分類し、それぞれの解法を解説しています。計算の基本は、極限を代入として考えられるように式変形することであり、それに加えて、はさみうちの原理やロピタルの定理を理解していると、極限計算は簡単に行うことができます。
もっと知りたいこと、感想を教えてください!