分数の極限を考えたときに、単純に計算すると分子・分母ともに0になるケースの解法について解説します。
∞/∞のパターンと同様、不定形の極限の基本となる形なので、確実に理解しておきたい計算法です。
解法
有理式である場合、約分することを目指します。
無理式である場合には、分母または分子を有理化してみます。
例題
$$\lim_{x\to 1}\frac{\sqrt{x+3}-2}{x^2-1}$$
を計算せよ。
$$\lim_{x\to 1}\frac{\sqrt{x+3}-2}{x^2-1}=\lim_{x\to 1}\frac{(\sqrt{x+3}-2)(\sqrt{x+3}+2)}{(x^2-1)(\sqrt{x+3}+2)}$$
$$=\lim_{x\to 1}\frac{x+3-4}{(x^2-1)(\sqrt{x+3}+2)}=\lim_{x\to 1}\frac{x-1}{(x-1)(x+1)(\sqrt{x+3}+2)}$$
$$=\lim_{x\to 1}\frac{1}{(x+1)(\sqrt{x+3}+2)}=\frac{1}{(1+1)(\sqrt{4}+2)}=\frac{1}{8}$$
極限計算の解法一覧
その他の極限計算の解法は、以下の記事を参照してください。

【全10パターン網羅】極限計算の解法一覧
極限の計算をパターンごとに分類し、それぞれの解法を解説しています。計算の基本は、極限を代入として考えられるように式変形することであり、それに加えて、はさみうちの原理やロピタルの定理を理解していると、極限計算は簡単に行うことができます。
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