展示会の名前が「特別展『医療制度』」に決定しました。
その他、会場等の詳細情報も決まりましたので、展示会のポスターを作製しました。
このポスターの縮小版が、富山大学杉谷キャンパス大学祭のパンフレットに掲載される予定です。(潰れて読めなくなるのではないか、と少々心配)
ポスターの解説
左の3人の人物は、上から
トマス・ロバート・マルサス(1766-1834)
イギリスの経済学者。
救貧法(現代の生活保護のような制度)は貧者を貧しいままに留める効果しかないとして、救貧政策の縮小を唱えた。
著書に「人口の原理」、「経済学原理」等がある。
ジョン・ラスキン(1819-1900)
イギリスの美術評論家・社会評論家。
ターナー、ラファエル前派というビクトリア朝を代表する画家たちを支援し、美術だけでなく社会改革についても熱心に著述活動を行い、ナショナル・トラストの創設にも携わった。
著書に「近代画家論」、「ごまとゆり」等がある。
トーマス・カーライル(1795-1881)
イギリスの歴史家・評論家。
彼の歴史作品は「オリヴァー・クロムウェル」や「フリードリッヒ大王伝」等、英雄の個性を描き出すことにこだわりを持ち、その観点から、人々を(均質な)数字でしか扱わないマルサス「人口の原理」を「陰気な科学(dismal science)」であると批判した。
著書に「衣装哲学」、「フランス革命史」等がある。
であり、皆イギリスの出身である。ラスキンは慈善活動や社会福祉の重要性を強く唱えた人であるため、この3人を2つ陣営に分けるとするなら
マルサス vs. ラスキン&カーライル
となるだろう。しかし今回の特別展は、このいずれかが正しい、と主張するものではない。
当展覧会では上の3名のような様々な論者(主にイギリス)の意見を紹介しながら、医療の制度・政策についての理解を深めることを意図している。
最も重視するのはバランスである。対して、観覧者が何らかの極論を崇拝する結果に至った時、この特別展は失敗だったと言えるだろう。
医薬系キャンパスの大学祭であるからこそ、医療の世界を軸に、こうした多元的な考え方の世界を楽しんでもらいたいという思いから、このようなポスターを作製した。
何かと堅苦しい物言いになってしまったが、ぜひ肩肘張らずに展示を楽しんでほしい。
詳細情報
日時: 平成28年10月22日(土)・23日(日)、10:00~17:00
住所: 富山大学杉谷(医薬系)キャンパス(〒930-0194 富山市杉谷2630番地)
会場:講義棟2階 202教室 (詳細は大学祭本部で配布しているパンフレットをご覧ください)
入場料: 無料
参加条件: なし
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